ミサゴの恩返し

真っ暗な中、一人でヘッドランプ頼りに、1kg超の尺ヤマメ100kgを池あげ作業。これだけで汗が噴き出します。立派に成長を遂げた尺ヤマメを活き〆し、大量に氷を入れ軽トラで出発。

まだ暗い朝4時、市場到着！

たくさんの人が忙しそうにワラワラ動いています。やっぱり市場は活気がありますね〜〜🐟

 

今回は市場競りでの、初回のテスト販売。

実は、20年前くらいに出した時は残念な結果だったのでそれ以来なのです。
その時は、重さ600g程で大きく成長させる養殖技術に達してませんでした。今回は1kg超の尺ヤマメです。

荷下ろしするなり、普段見かけない魚ということで、珍しがって、競り人が集まってきました。やっぱり注目度バツグンです！😃

競り人の一人が、担当者に「味はどんな感じ」って聞いてきたので、わたくし間髪入れず、担当に「試食いいですよ」と伝える。

急遽、1尾おろして、刺身にして試食を出してみる。

試食の横に張り付き、覆面潜入捜査官並みに、試食状況に聞き耳をたてる。
「これ旨い！」「甘みあるね〜」「全くくさみがない」「ヤマメの刺身初めて食べた」「シャケより旨い」「川魚じゃない味やね〜」「養殖でこんな旨い、エサが特別なんやろうね〜」「黄金イクラのところや！」「寝かせたらもっと旨そう」

魚を知り尽くす、達人の方々が正真正銘の高評価。

担当者が近くに来て、「試食出していただいて、良かったです。みんな旨さに驚いてますよ、今日一番の目玉商品になりました」と、なんとも嬉しい言葉。

市場状況は、台風で海が荒れて入荷が少なく、場内では余計に「尺ヤマメ」が目立ってました。

いよいよ競りがはじまり、威勢のいい声が交錯します。
順番が尺ヤマメのところに来たら、なんと競り人が一気に倍増！気持ちの良い声が響き、予想を超える評価をいただきました。

荷受されていくヤマメを見ながら、2年の歳月をかけて、台風や豪雨に負けずに育てあげたことが報われた気がしました。

明るくなった早朝、軽トラ運転しながら帰り道にふと思い出しました。

今日の良い結果は、もしかしてあの「グルメなミサゴの恩返し」だったのかもしれないと、一人笑顔で感じ入ってました。😊